IPファクス(SIP)の注意/制限
IPファクス(SIP)についての注意/制限事項は、次のとおりです。
IPファクス(SIP)機能について
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インターネットへの接続はできません。
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IPファクス(SIP)では、呼接続にSIP、データ通信にはT.38 を使用しています。H.323方式での通信や、みなし音声方式での通信など、その他のIPファクス通信プロトコルはサポートしていません。
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SSL/TLS通信では動作しません。
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IPファクス(SIP)では、本機とSIPサーバーとの間で認証を行います。
その認証では、ダイジェスト認証だけをサポートしています。NTLMやその他の認証方式はサポートしていません。
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IPファクス(SIP)の同時接続数は1つです。送受信を同時に行うことはできません。
ファクス/ インターネットファクスとの同時通信は可能です。
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利用できるSIPサーバーは、レジストラーサーバー、プロキシサーバー、それぞれ2台までです。
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SIPサーバーのIPアドレスは、DHCPまたはDHCPv6を使用して取得できます(DHCP、DHCPv6サーバーのオプション番号120にSIPサーバーのIPアドレスを設定しておく必要があります)。ただし、次のような注意事項があります。
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IPアドレスをIPv4環境でDHCPから自動取得する場合は、[IPv4-IPアドレス取得方法]を[DHCPから取得]または[DHCP/AutoIPから取得]に設定してください。
IPアドレスをDHCP またはDHCPv6 から自動取得する場合でも、ポート番号、認証ユーザー名、認証パスワード、サーバー種別は自動取得できません。これらの項目は手動で設定してください。
IPアドレスを自動取得した場合は、プロキシサーバーとレジストラーサーバーの両方に同じ自動取得したIP アドレスが設定されます。プロキシサーバーとレジストラーサーバーで異なるアドレスを使用したい場合は、手動で設定してください。
複数のアドレスを自動取得した場合は、1番めのアドレスをプライマリーのプロキシ/レジストラーサーバーに、2番めのアドレスをセカンダリーのプロキシ/レジストラーサーバーにそれぞれ設定します。3番め以降のアドレスは使用されません。
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QoS制御の方法としてToS(IP Precedence/DSCP)だけをサポートしています。
CoSやその他のQoS制御はサポートしていません。
本機では、[IP パケット送信優先度]で、IP パケットの送信優先度を設定し、QoS 制御を行います。
通信できる相手機について
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IPファクス(SIP)機の通信は、イントラネット内に設置された弊社、および株式会社リコーのSIP対応ファクス搭載複合機間で交信性を確認しています。対応機については、弊社の営業担当者にお尋ねください。
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他社製品とのT.38 通信は保証していません。
SIPサーバーについて
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SIPサーバーは、弊社の推奨品をお使いください。(推奨品以外を使用した場合、通信エラーが発生する可能性があります。)詳しくは、弊社の営業担当者にお尋ねください。
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動作を確認しているSIPサーバーは、Cisco Unifide Communications Manager 6.0/6.1/7.1/8.0/12.0を搭載しているCisco社製サーバーです。
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Cisco社製SIPサーバーを使用する場合、T.38プロトコルとして使用できるのはUDPだけです。
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IPsec通信では動作しません。
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IPv6環境では動作しません。
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Cisco社製SIPサーバーを使用する場合、本機に設定する[SIP本体アドレス]では、@以降はSIPサーバーのIPv4アドレス文字列だけが指定できます。IPv6アドレス文字列、FQDN文字列、およびSIPドメイン名文字列を指定した場合は、動作しません。
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SIPサーバー上で、本機のSIP端末として設定した際に、弊社指定以外の設定がされた場合は動作しません。
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Cisco社製SIPサーバーでは、アドレス登録を保持する時間は固定(120秒)です。Timer Register Expires値を変更しても反映されません(120秒のままです)。
VoIPゲートウェイについて
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VoIPゲートウェイは、弊社の推奨品をお使いください。(推奨品以外を使用した場合、通信エラーが発生する可能性があります。)詳しくは、弊社の営業担当者にお尋ねください。
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動作を確認しているVoIPゲートウェイは、Cisco社製のCisco 2801/2811(IOS 12.4(24))、Cisco ISR 2900(IOS 15.2(3)T以降)、Cisco ISR 4321(IOS 15.5(3)S6b(3.16.6bS)/16.3.5/16.6.2)です。
補足-
Cisco 2800シリーズでIOS 15.Xを使用する場合は、15.1(4)M5以降にする必要があります。
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お客様の環境によっては、アナログ回線では正しく動作しない場合があります。
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動作を確認しているデジタル回線は、「INS ネット64」です。
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Cisco社製のVoIPゲートウェイを使用する場合、T.38プロトコルとして使用できるのはUDPだけです。
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IPsec通信では動作しません。
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IPv6環境では動作しません。
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VoIPゲートウェイ上のダイヤルピア、またはVoice Portに弊社指定以外の設定がされた場合は、動作しません。
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ネットワーク上で転送データの一部が失われた場合、画像の一部が欠けたり、詰まったりすることがあります。このような現象を防ぐには、ECM モードが有効です。
本機では、いつでもECM モードを使用できますが、VoIP ゲートウェイの設定によっては、ECM モードを使用できないことがあります。
ECMモードが使用可能かどうかをネットワーク管理者に確認してください。
NAT/NAPTについて
UPnP、TURN、STUN、ICE、UDPホールパンチングなどのSIP通信でのNAT/NAPTを透過させる通信プロトコルには対応していません。
ALGも含め、NAT/NAPT機器を使用した環境では動作しません。